安産には体重管理が関係してきます。
妊婦のうちから正しい食事に気を使っておきましょう。
ここでは安産につながる食事について解説していきます。
産後の離乳食や将来の家族みんなの健康にも「食」は関わってきます。
妊娠を機に一度しっかり見なおしてみましょう。
赤ちゃんへの栄養は全て、ママが食べた物がベースとなります。
今まであまり「食」に気を使わなかった方も、
赤ちゃんの事を考え、改善していきましょう。
まずは、以下項目で食生活を見なおしてみて下さい。
〈食事の基本は1日3回〉
3回の食事のうち、1回でも抜くと食品のバリエーションが減ります。その結果不足する栄養素が出てきます。 |
〈食事は規則正しく〉
食事の間隔が空きすぎると、空腹感が増し、必要以上にカロリーを摂取してしまう事があります。 |
〈薄味に切り替えよう〉
塩分・糖分を摂り過ぎると、高血圧の原因になります。味付けは薄めにし、素材の自然な味付けを楽しみましょう。 |
〈栄養バランスを考えた食事を〉
妊婦には外食や、コンビニ弁当、惣菜を購入するよりも、自宅で作った料理の方が適しています。市販品や外食は回数が多くなると栄養が偏ります。塩分や脂肪の摂り過ぎや栄養バランスが偏る事があるので注意しましょう。 |
〈できるだけ多くの野菜を摂取〉
野菜は体の調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維が豊富です。生野菜、温野菜の他、肉・魚と一緒に食べるようにしましょう。 |
〈主食はエネルギーの源〉
ご飯、それにパンなどの主食はエネルギーの源です。妊娠中は体重が増えすぎて食べ物の量を減らさないといけない場合もありますが、少しでも良いので食べるようにしましょう。 |
〈時間をかけて沢山噛む〉
早食いをすると、満腹を感じる前に沢山食べ過ぎてしまい、肥満の原因となります。ゆっくり、沢山噛んで食べる事で食事を適量に抑える事が出来ます。 |
〈乳製品は意識して摂取しよう〉
乳製品はカルシウムやタンパク質を含みます。特に妊婦は意識して摂取するべき食べ物です。 |
〈果物も栄養が豊富〉
果物には、ビタミンやミネラル、食物繊維が含まれています。食べる習慣がないなら、朝食に1品添えてみたり、間食に果物を摂取してみましょう。 |
妊娠中は、妊娠前より体がデリケートになっています。
食中毒などの、食べ物が原因の病気にかかりやすくなります。
料理をする前に、石鹸で手洗いを念入りにする他、
調理器具もしっかり洗い清潔な状態で使いましょう。
食材は加熱調理し早めに食べる事が大切です。
妊娠中は、普段食べ慣れていない食材や珍しい料理へのチャレンジは避けましょう。
特に、生物、半生の食品は避けて下さい。
もし食べる場合は、かならず加熱してからにしましょう。
×生肉 △サラミ △生ハム △魚の刺身 △ナチュラルチーズ (加熱・殺菌されていないチーズ) |
健康的な体を作るためには、魚は欠かせません。
しかし、少し注意が必要です。
自然界にある水銀が食物連鎖により、高い濃度で含まれている魚があります。
その魚を極端に食べ過ぎると、胎児の発育に影響する恐れがあります。
一部の魚に偏って毎日のように食べるのは避けましょう。
また、「1食に食べる魚の量は約80g(刺し身1人前・切身1切れ)まで」に抑えておきましょう。
以下に魚の種類と食べれる量をまとめました。
キンメダイ ツチクジラ メカジキ クロマグロ(本マグロ) メバチ(メバチマグロ) エッチュウバイガイマッコウクジラ |
キダイ マカジキ ユメカサゴ ミナミマグロ(インドマグロ) ヨシキリザメ イシイルカ |
キハダ ビンナガ メジマグロ ツナ缶 サケ アジ サバ イワシ サンマ タイ ブリ カツオ 等 |
例えば、
赤ちゃんが卵アレルギーにならない為に、妊婦が卵を食べないようにしたり、
赤ちゃんが大豆アレルギーにならないように、妊婦が大豆を食べないようにするとします。
この場合、赤ちゃんは卵アレルギーや大豆アレルギーにならないかと言うと、そういうわけではありません。
医学的には、妊婦が特有の食品を食べないようにしても、赤ちゃんのアレルギーは予防出来ないと言われています。
赤ちゃんがアレルギーにならない為には、
特定の食品を除去するよりも、バランスよく栄養を摂取し赤ちゃんの体を丈夫にする事が大切です。
卵はタンパク質が豊富で、体のもとを作るのに欠かせない栄養が沢山入っています。
大豆は鉄分やカルシウム、タンパク質が豊富な食品です。
妊婦に大豆アレルギーがなければ、
豆腐や納豆、高野豆腐などの大豆製品は積極的にとるべき食品です。
ただし、いくら体に良い食材でも食べ過ぎてしまうと、
栄養のバランスが崩れてしまいます。
全ての食材に言える事ですが、ほどよく適量を意識して食べるようにしましょう。
妊婦は1日に何をどのくらい食べれば良いのかが分かる「食事バランスガイド」を紹介します。
主食や副菜などのそれぞれの量の目安を示していきます。
どれかが多すぎても、少なすぎてもいけません。
バランスをとって食事を摂るようにして下さい。
ただし、持病などにより医師や管理栄養士に食事の指導を受けている妊婦はその指示に従って下さい。
調理は無理のない範囲で大丈夫です。
全部手作りする必要はありません。
メインのおかずは手作りでサラダなどは惣菜でも良いでしょう。
パックごはんや冷凍うどんを活用しても良いでしょう。
妊娠中は体調に応じて市販品を上手に取り入れながら栄養を摂って行きましょう。
食事バランスガイドのポイントは、
量を「つ(SV)」で数える点です。
SVとはサービング(料理の単位)の略です。
下記の表を例に出すと
おにぎり1個を「1つ」と数えます。
うどん1杯は「2つ」にあたります。 |
1日分 (妊娠前) |
1日分付加量 (妊娠期に+する量) |
料理例 | ||
初期 | 中期 |
後期 (授乳期) |
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主食(ご飯・パン・麺) SV:5~7つ ご飯中盛は4杯程度 |
+1 |
1つ分: ご飯小盛・おにぎり1つ・食パン1枚・ロールパン2個 2つ分: うどん1杯・もりそば1杯・スパゲッティー |
||
副菜(野菜・きのこ・いも・海鮮) SV:5~6つ 野菜料理5皿程度 |
+1 | +1 |
1つ分: サラダ・具沢山味噌汁・ほうれん草のおひたし・ひじきの煮物・煮豆・きのこソテー 2つ分: 野菜の煮物・野菜炒め・芋の煮っころがし |
|
主菜(肉・魚・卵・大豆) SV:3~5つ 肉、魚、卵、大豆料理から 3皿程度 |
+1 | +1 |
1つ分: 冷奴・納豆・目玉焼き 2つ分: 焼き魚・マグロとイカの刺し身 3つ分: ハンバーグ・豚肉の生姜焼き・鶏肉の唐揚げ |
|
牛乳・乳製品 SV:2つ 牛乳なら1本程度 |
+1 |
1つ分: 牛乳コップ半分・チーズ1かけ・スライスチーズ1枚・ヨーグルト1つ 2つ分: 牛乳ビン1本分 |
||
果物 SV:2つ みかんなら2個程度 |
+1 | +1 |
1つ分: みかん1個・りんご半分・柿1個・梨半分・ぶどう半房・もも1個 |
|
【注意】
妊娠初期は、妊娠前と同じ食事量で大丈夫です。
妊娠中期は副菜と主菜と果物のみ、SVを+1して下さい。
妊娠後期になると全ての料理に+1されます。
妊娠前より多めに食事を摂取する必要があります。 |
上記の食事バランスガイドの、
「1日分(妊娠前)」とは、妊娠をしていない状態の普段の事を指します。
妊娠期にどのくらい食事量を増やせば良いのか参考にして下さい。
妊娠初期には、妊娠前と食事量は変わりません。
中期になると一部の食事量を増やさなければなりません。
(副菜・主菜・果物)
後期と赤ちゃんを産んだ後の授乳期にはすべてのグループに1つずつ足します。
・非妊娠時~妊娠初期は約2000~2200kcal
・妊娠中期は+250kcal
・妊娠後期は+450kcal
・授乳期は+350kcal |